2005年 09月 27日
やってこない ねずみ |
少年Tの歯が抜けた。
フランスでは乳歯がぬけると、たいていの親が『Dents de lait』(乳歯)と書いてある小さい箱に 抜けた歯を入れて取っておく。日本では、屋根の上とか縁の下に投げるのが慣わしだった気がするんだけど。
寝る前に枕の下に抜けた歯を置いておくと、ねずみがやってきて、歯と交換にコインを置いていってくれることになっている。
もうすぐ10歳になるという少年Tは、ねずみの存在を信じている。サンタは去年で正体がばれたけれど。
いつかも 皮一枚でぶら下がっている前歯が 口から出たり入ったりする光景に
「あのさ~、ねずみも週35時間労働だから、今日の夕方から田舎のセカンドハウスに出かけるかもね~。今のうちに歯が抜けてしまったら、ぎりぎりセーフでコインを置いていってくれるかもしれないけど」と 促すと、あわてて歯を抜こうとしていたっけ。
最初の子供、次の子供のときは、歯が抜けた日の夜に、子供が寝たのを見計らって枕の下に1フランを置くことだけは忘れなかったのに、3番目ともなると こっちの記憶の穴が広がることも手伝って、ねずみのことなんかすっかり忘れてしまったりする・・・それもほら、先週の私の頭の中はViggoのポスターのことでいっぱいだったし。 そんなもん言い訳だよ~
というわけで、抜けた歯はちゃんと箱にしまったけれど、ねずみのことなんかすっかり忘れて3日目。毎朝、「また来なかったよ~、ねずみ」とため息をつく声を聞いて・・・あわてる私。
「ビリーとトゥピーが猟犬だから、ねずみが怖がって来れないのかもね」
これは 昨日とぼけたとき。2匹がRatierといってrat(ねずみ)を追いかける犬種なのは本当。うそじゃないもん。
「あちこち台風とかハリケーンとか 大変、大変。ねずみもきっと大変よね。来たくてもこれなかったのかもね。」と 今日もとぼける。←ずっる~い、ずっる~い!
「僕のところに来るねずみは フランスのねずみだから 台風なんか関係ないよ。」
「どうして~?いろんな国から来たねずみがいて 当然だと思うけどなあ~。」
「・・・・・・・・・」
しめしめ うまく切り抜けることが出来た(汗)
あとで 1ユーロを枕の下に入れてきます・・・。もう言い訳が見つからない。
通貨がユーロに切り替わる前に 自分のところにはいつも1フランだけれど、大親友のトマのところには ねずみが10フラン硬貨も置いていったことが悲しかった少年T、ある日の朝、枕の下にやっぱり1フランを見つけて、「僕のところに来るねずみは 貧乏なんだね」と一言。
「Tのところにきたねずみは体が小さいから 10フランは重くて運べなかったんだね・・・」
と、答えた気がする。
フランスでは乳歯がぬけると、たいていの親が『Dents de lait』(乳歯)と書いてある小さい箱に 抜けた歯を入れて取っておく。日本では、屋根の上とか縁の下に投げるのが慣わしだった気がするんだけど。
寝る前に枕の下に抜けた歯を置いておくと、ねずみがやってきて、歯と交換にコインを置いていってくれることになっている。
もうすぐ10歳になるという少年Tは、ねずみの存在を信じている。サンタは去年で正体がばれたけれど。
いつかも 皮一枚でぶら下がっている前歯が 口から出たり入ったりする光景に
「あのさ~、ねずみも週35時間労働だから、今日の夕方から田舎のセカンドハウスに出かけるかもね~。今のうちに歯が抜けてしまったら、ぎりぎりセーフでコインを置いていってくれるかもしれないけど」と 促すと、あわてて歯を抜こうとしていたっけ。
最初の子供、次の子供のときは、歯が抜けた日の夜に、子供が寝たのを見計らって枕の下に1フランを置くことだけは忘れなかったのに、3番目ともなると こっちの記憶の穴が広がることも手伝って、ねずみのことなんかすっかり忘れてしまったりする・・・それもほら、先週の私の頭の中はViggoのポスターのことでいっぱいだったし。 そんなもん言い訳だよ~
というわけで、抜けた歯はちゃんと箱にしまったけれど、ねずみのことなんかすっかり忘れて3日目。毎朝、「また来なかったよ~、ねずみ」とため息をつく声を聞いて・・・あわてる私。
「ビリーとトゥピーが猟犬だから、ねずみが怖がって来れないのかもね」
これは 昨日とぼけたとき。2匹がRatierといってrat(ねずみ)を追いかける犬種なのは本当。うそじゃないもん。
「あちこち台風とかハリケーンとか 大変、大変。ねずみもきっと大変よね。来たくてもこれなかったのかもね。」と 今日もとぼける。←ずっる~い、ずっる~い!
「僕のところに来るねずみは フランスのねずみだから 台風なんか関係ないよ。」
「どうして~?いろんな国から来たねずみがいて 当然だと思うけどなあ~。」
「・・・・・・・・・」
しめしめ うまく切り抜けることが出来た(汗)
あとで 1ユーロを枕の下に入れてきます・・・。もう言い訳が見つからない。
通貨がユーロに切り替わる前に 自分のところにはいつも1フランだけれど、大親友のトマのところには ねずみが10フラン硬貨も置いていったことが悲しかった少年T、ある日の朝、枕の下にやっぱり1フランを見つけて、「僕のところに来るねずみは 貧乏なんだね」と一言。
「Tのところにきたねずみは体が小さいから 10フランは重くて運べなかったんだね・・・」
と、答えた気がする。
by cinephile
| 2005-09-27 05:00
| Monologue